どぶろく

ゴールデンカムイの感想や個人的に気になったことをまとめています。

ゴールデンカムイ218話「父さん、仕事辞めて砂金掘り師になろうと思うんだ」

こうしちゃいられねぇ!
雨竜川に「ハク」とやらを掘りに行くぞ!
ハク?知ってるぞ!饒速水小白主だろ!千と千尋で習った!
というね、夢とロマン溢れる回。
もう金塊なんて目じゃない。砂白金(おそらくステンレスかと)に取り憑かれる杉元と白石。
余談だが、万年筆のインクは酸性なので、劣化しないように耐酸性の金属が使われているらしい。
よく目にする万年筆のペン先は金色で、これは高級感を追求し最高まで24金にまで上がったが、コストパフォーマンスにおいて優秀だったのが、鉄やステンレス製のペン先。これに金メッキ加工を施していたと、ウィキペディア先生が教えてくださった。

ともあれ、白石はともかく杉元は完全に最初の手段に立ち返った。
なんだかんだ言っても、金を目の前にすると欲望が露わになる人間らしさ。
もうここで砂白金掘って一発当ててヒンナヒンナしようや。おしまい。
…でいい気もしてきた。いやよくないわ。いろいろ置いてけぼりになってる。

ところでこの平太をはじめとする砂金掘り師たち。
平太が三角眉毛の男を嵩にぃと呼んでいるので、この二人は兄弟なのかもしれない。
そうなると、ほっかむりの老人が父親で、坊やはどちらかの息子か年の離れた末弟、ノリ子は老人の娘であり平太たちの兄妹に見える。
平太たち砂金掘り師は、砂金を掘ることを生業としている一家なのかもしれない。

ここでちょっと久しぶりだなと思ったのが、パーティーに女性キャラがいること。
インカラマッや家永(めんどうなので女性枠にする)を率いていた、谷垣さんチームや土方さんチームぶりの、男性パーティーの中の紅一点。
どうでもいいけどこの一家(おそらく)じいさん以外、眉毛が特徴的である。
加えてノリ子、なんだこの艶かしい容姿は。あからさまに泣きぼくろなんてつけおって。あざとい。
けど、ノリ子。掘り師さんチームの紅一点でありながら、身につけているものにきらびやかさがない。
砂金で一日五十円も当てたのなら(当時と現代のレートはわからんが、たぶん相当な額だろう)もっとけばけばしい成金のような格好をしてても良さそうなものかと思ったんだが…。
まあ帯はそれなりに良いものをつけているようには見えなくもないが。
砂金もそう毎日取れるものでもないだろうし、派手な身なりを嗜むほどガッポガッポ儲けているわけでもなさそうだ。五人で生活していく分にはちょうどいい程度なのだろうか…。

そして平太だが、前々回、羆に襲われたかのように見えたが、しっかり生きている。額に傷は残っているものの、どうにかこうにか生き延びたのか。
はじめは平太が尋常じゃないくらい羆を怖がっている場面で、平太がポン中なのかと思った。
あんな冷たい川に入るんだ。ヒロポンでも打ってないとやってられないのだろう、そうか、仕方ないよな。ぐらいに推察していたが、羆はほんとうにいた。
平太は幻覚を見ていたわけではなかった。じいさんしっかり食われてる。
恐れおののく平太には、羆を彫った、なんだろあれ。小物入れ?がぶら下がっている。お守りのようなものなのか。これのおかげで平太は羆に殺されずに済んだのだろうか。
平太は羆と交渉したのかもしれない。どうか自分だけは殺さないでくれと。そのために彼は何かを生贄にした。その罪を忘れないがための、あの小物入れ?なのか。

…なーんて考えもしたが、この漫画、そこまでファンタジーではなかった。
次号予告「誌上最悪の食害事件」と書かれている。
人の味を覚えてしまった羆が、川を汚す人間への裁きをくだす。悪い神になってしまった羆の鉄槌が振りかざされる。
そんな内容なのだろうか。

またもや砂金で一攫千金の夢を見始めた杉元に、目を覚ませ、おまえの目的はなんだ、この漫画の終着点はなんだと、羆がビンタする回。ビンタで済めばいいのだが。

それにしてもこの砂金掘り師のくだりは、今後のストーリー展開に必要な付箋なのだろうか。
サーカス団のような、息抜き回なのか。
ヴァシリは羆をバーンすることができるのか。うっかりするとヴァシリの存在を忘れてしまう。ノリ子の一言がなかったら完全に忘れていた。