どぶろく

ゴールデンカムイの感想や個人的に気になったことをまとめています。

196話「尾形、どうなってしまうんだ」

近所にモスがあるので明日の昼食はモスにしよう。

 

そんなことはどうでもいいんだが、尾形すっかり唇まで干からびちゃって。干し芋みたいな唇になっちゃってさ。

いやそれにしても。

尾形の命あってこそリパさんは罪を抱えなくていいのはわかるんだが、もう尾形の人生なんだったんだってなるじゃん?

本誌連載が休みの間に新刊を読んで杉元と尾形のリパさんに対する描写が真逆なことに気づいたんだよ。まあしたらばの受け売りなんだけどな。

それで杉元と尾形は人間の善と悪の対比のような存在なんじゃないかと思ったのよ。

人間には善も悪も備わってる。善だけじゃ人は生きづらい。だから悪の部分があっても、それを咎めることはしなくていい。両方持ち合わせてこその人間であり、それをどう使うか、表に出していい時なのかそうでないのかを精査できるのが人間の理性なんだと。そういう象徴であると思った。

でもさ、もう尾形の役割って一個人のエゴで命を決められてるような状況じゃない?今。

人間ってこの世に生を受けることに関して、自分の意思が一切関与できないエグいものだと思う。

勝手に生まれ落ちて、その先を選べなくて、生まれ落ちた先で人生が決まってしまう人だっている。

そういう博打に強制参加させられて、その先の命の采配さえも他人のエゴに任されてしまっている、尾形は今。

まあ尾形がやったことを考えれば当然かもしれない。けどそうなってしまった状況を生んだのは、出自が少なくとも関わっているのではないか。

尾形は不殺の信条の当て馬なのか。

この先尾形が助かって喋ることができて、そこで何を話すのか。聴き終えたらもう尾形の命の価値はなくなってしまうよな。

不遇すぎるな、どこまでも。この男は。

またもや人生って、救いがねぇなあと思ってしまった。

尾形に肩入れしてるからこんなことを思ってしまうんだろうけど。サトルは尾形をどういう立ち位置にしたいんだろうか。

鶴見中尉が動き出したし、尾形も引き渡されてジ・エンドなのか。この漫画での尾形の役割はなんだったのだろうか。「天から役目なしに下ろされたものはない」がこの漫画のテーマなら、尾形の役割はなんだったんだろうか。自分の価値や考えを確かめるために殺してばかりきた男の役目とは・・・。

銃が海水に落ちた時点で役目は終わったってことを意味してたのかな。それとも役目のない人間もいるって意味にされるのだろうか。うーん、そしたらやっぱ人生ってクソだなと思ってしまうわ。

まあ尾形がロクでもない死に方するのは覚悟してるけど。

誰にも愛されず、救われずに終わる。

現実とリンクしてしまってとてもつらい。

明日モスで豪遊しよ。

195話「アンタ、凧次郎さんとこの…」

以前、陸自の防衛館を見学させていただいたことがあった。

そこで八甲田山遭難事件の資料も見せていただいたのだが、その中に捜索に駆り出されたアイヌ民族の方達の写真があった。村長の名前は凧次郎さん。

もしやこの中にアリコが!?と一瞬思ったが、彼らは函館から来たアイヌ民族だそうで、残念ながらこの中にアリコがいるはずはないのだ(あたりまえだ)

そんな妄想は置いといても、菊田特務曹長の言う通り、捜索に駆り出されたアイヌ民族は、地元の人間ですら困難な沢などの捜索に大活躍したと聞いた。

ここで八甲田山遭難事件を掻い摘んで説明すると、日露戦争に備えての雪中訓練を冬の八甲田山で行った。

弘前の第八師団で構成された部隊と、青森市、秋田、宮城などから招集された部隊とで、それぞれ別々に出発。

遭難した第五連隊は出発一週間前に急遽隊長が変更。理由は本来隊長を務めるはずの人物の嫁が産気づいたためと聞いた。

ざっくり言うと、遭難した部隊は準備が足りなかったこと、地元の村民が案内役を買って出たのを断った、などの理由で遭難事故にあった。というのは映画などでも有名な話なのでここでは割愛する。

まあ、そんな装備で大丈夫か?

という状態で出向いてしまったわけだが、その事故を踏まえて軍用の冬用コートの素材がカシミヤだったか今までよりも良いものに変わったりと、雪山なめちゃいかん、という意識改変に繋がったと思いたい。

 

実際に昔、冬の八甲田山へ行ったことがある。

八甲田牛のステーキ目当てに、ついでにスノボでもしようぜという軽い気持ちで行ったのだが、八甲田牛のステーキは販売されておらず、仕方なしにスノボに興じた。

だがあまりの寒さと、コース(と言えるものなのか)の難易度の高さに、3回滑ってもう二度と来るかと帰った思い出。

幅3mもないカーブには柵もなにもなく、もし落ちたら登ってくることは絶対不可能な崖下へと続いている。

加えてリフトの柱には、行方不明者捜索中のチラシが貼られていた。

呑気にスノボなんて滑る場所じゃない。ここはただの雪山だ。

きっと雪中行軍部隊も似たようなことを思ったに違いない。こんなでかい釜なんて抱えてくる場所じゃないと。

 

話が逸れすぎてもう感想でもなんでもなくなってしまったが、雪山はそれだけ厳しく、雪山に詳しい、または慣れている猛者でなければ圧倒的に不利なフィールドだということ。

雪崩をわざと誘発させるのも、雪山を知り尽くしていないとできない技だ(なんかの漫画でも見た気がするけど思い出せない)

 

しかし菊田特務曹長が何者なのかもまだわからないまま、底意地の悪さだけが週を追うごとに露わになっていくな。

それなのに、あの純粋無垢そうなアリコが付き従えているのはなぜなんだろう。

軍人だから上官に付き従うのはあたりまえだけど、敵の死体から銃を集めさせたりといったことになんの疑問や疑念も抱いていないのか。ということが気になる。

 

これたぶん先週も言ったけど、氷筍、うちの玄関にもできてたわ…って、北海道でも限られた土地でしか見かけないって、うちの玄関は北海道の一部かよ。どんだけ劣悪な環境に住んでんだ、本州なのに。f:id:sukeki41111:20190328081146j:image

 

194話「ガンマニアは笑わない」

戦場で死体から武器を持ち帰るのはまあ普通かな、と思えるけど、お気に入りの銃を収集してるっつうのがなー。不良軍人よね。

というか、菊田ファンの方々には大変申し訳ないんだが、あの上着の中からバッとガンケース?を見せた時、既視感のある気持ち悪さを感じた。

その気持ち悪さはなんなのか。オタクが(特にラブライバー)が缶バッジで全身を覆っているアレに似ているからだと。

いやキモオタの缶バッジと一緒にすんなや。という意見はごもっともだし、私もあそこまで狂信的ではないがラブライバーだった時期があったので気持ち悪いと嫌悪しているわけではない。

単純に同じオタクとしておまえもか。という気持ち悪さ。いくら自分がオタクであれ、度を越した収集家や熱量は時に同族と言えど引いてしまう。アレです。

あとね、サイリウムホルダー。

知らない人もいるかもしれんが、ああいうタイプのサイリウムホルダーまじで公式グッズであるのよ。

菊田はナガンM1895推し。

しかもまた鹵獲することにとりつかれていたってのがな。正気じゃないことを表してると思う。要はこの人、ハンドガンが欲しくて欲しくてたまらない。この人もまた、己の欲に忠実な人間のひとり。

もうお尻から入れたお湯を口から出す陽気なおじさんではない。

「ふざけやがって」

もうこの一言で、菊田の狂気っぷりが窺えた。何かにとりつかれた人間というのは視野が狭くなり自分しか見えない。私はそういう人間をとても恐ろしく思う。

宇佐美が茶目っ気たっぷりに目的を吐いたことも、なんか裏があるような気がする。

ドジっ子に見えて宇佐美は網走監獄に苦労してまで潜入させられる人物なんだから、密偵としては優秀なんじゃないかと思っている。

 

そしてあの逆さつらら、氷筍。

あれね、今年うちの家の玄関でも同じ現象が起こってた。

まあうちの場合原因は結露なんだけどね。

 

 

 

 

193話「尻穴を覗く時、尻穴もまたおまえを見ている」

…って、ニーチェも言ってたような言ってなかったような。

つまりはそういうことなんだよ。

見られて困るようなら、こっちから見ればいい。そしたらどうなるのか。

ネタが被って、くっそ寒い雰囲気になる。

おわかりだろうか。

身体を張って奇をてらうと滑る。

 

毎週思うんだけど、これほんとうに週刊連載?

一話で話の温度が乱高下するし、密度が濃い。黒バスなんて、試合中の2、3分で一話終わっちゃったりもするのに。

この漫画、場面が変わってもまだアナルの話してるよ…。

もう私は女だから、打たせ湯の正しい使い方がわからない。男湯では打たせ湯をこんな風に利用してるのか?

打たせ湯は、下半身に当てるのが普通なの?教えて、おじいさん!教えて、アイヌの森の木よ!

 

尻穴の話はこのくらいにして、菊田特務曹長。彼はちんぽよりもアナニストだったと。

いやほんとにそれはどうでもよくて、彼は鶴見一派なのか?

中尉への手土産が欲しいということは、中尉に取り入るつもりがある。しかし宇佐美達とはまた別の思惑がある。できれば宇佐美を出し抜きたい。宇佐美達よりも、怪我の療養で出遅れた分、手土産を持参し、中尉に気に入られたい。

という解釈で合っているのだろうか。

そうすると、宇佐美達を登別へ寄越した中尉の意図はなんなのか。

二階堂は菊田に嘘をついた。菊田に刺青の情報を与えなかった。

刺青人皮の件は、第七師団27連隊だけの極秘案件であり、菊田とアリコはその件については蚊帳の外。

どういうことなのだ。

鶴見を中心とし、下の階級の者達の中で分裂しているという絵図が見えるのだが、それは何を意味しているのか。

わからん。

菊田特務曹長はアリコと刺青人皮の謎に迫りつつある。

そしてトニとついに接触する。

おそらく眼帯をしたモブ兵から借りたであろう眼帯で、あらかじめ視界から光を奪うことで暗闇に目を慣れされておいた。

菊田はトニが盲目だというところまで掴んでいたのか。

そして二丁拳銃。

今回の表紙で私は一番に、BLACK LAGOONバラライカを思い出した。撃鉄というワードで。

加えて二丁拳銃は、BLACK LAGOONのレヴィの十八番。勝手に関連性を思い描いてしまう。

まあとにかく菊田は食えない男だなということは、確定した。

手土産で出し抜きたいのは、宇佐美達だけではなく、中尉なのでは?とも思えてしまう。

秘密裏に動いていた刺青人皮争奪戦。菊田はまだその刺青人皮が何を意味するのかも知らない。金塊のことだって知らないはずだ。

だったらもし、トニの刺青を中尉に持ち帰ったとしたら、中尉はどんな顔をするのだろう。

よくやったと言うべきか。なぜ刺青人皮の謎を知らないおまえがそれを手にしているのかと訝しむのではないかと思う。

 

話は表紙に戻るが、あの煽り文。

アシリパの意思を杉元が受け継ぎ、手を下す。という意味にとれた。

杉元とアシリパが出会った頃に契約した「汚れ仕事は俺がやる。あんたは知恵を貸してくれ」

これに起因するのでは?

結局このコンビが対になって目的を達成させるという付箋だといいな。

 

今週も濃い内容だった。

ところでモブ兵が言っていた「きれいな女」あれは家永のことなのか?

マッちゃんはまだ療養中だろうし。

家永ファンの私としては、家永にもまだ活躍の場があってくれたら嬉しいんだけど。

まあ、きれいだけど、おじいちゃんなんだけどね。

 

 

192話「定められた運命と不自由な命」

金玉が左右入れ替わっても別にいいじゃない。

前前前世は金玉じゃなかったかもしれない。前前前世も金玉だったなんて困るよ。

君の名は、録画したのを途中までしか見てないからよくわからないんで、さっさと本題に入りましょう。

 

名前からしアイヌの人だとは想像してたけども。濃いな〜。君、ほんとうに一等卒?ってくらい、顔面のHPとATKがすでに強そう。ていうか顔がバーサーカー。そして胸毛が新種。

顔の傷も杉元と尾形を2で足して割って0.5引いたくらいの、顔面にCP表記されてるキャラ初めて見たわ。

 

トニ、ずいぶんとリスキーなことやってるけど、どういう目論見で?

たぶん土方さんの差し金だとは思うんだけど、どういったご用件で仕向けたのか。きな臭いにおいがより強まった、菊田特務曹長

なんか話し方も洋画に出てくる、一見穏やかそうに見えて腹黒いタイプ。

 

そして尾形ははやり、毒は抜いたとはいえあんな傷を負ったんだから、かなり苦しそう。熱出てるよね、たぶん。

みんな尾形の目的が気になるところではあるけれど、ただの金塊目的なら気兼ねなく殺せると。

完全に命運を杉元に握られてる。

理由によっては生かす価値はあるし、そうでなければ躊躇なく殺す。

じゃあ気兼ねなく殺せない理由になり得るものはなんなんだ?

私は自分が死ぬ時くらいは自由にさせてくれ。と常々思っているが、人は大概死ぬ時も生まれた時もそこに自分の意思はない。自殺以外は。

突然の交通事故、事件に巻き込まれる、病気。あらゆる理由で人は自分の意思とは無関係に一生を終える。

しかしそれが、他人が決めた取り組みによるものだったら。

理由によっちゃ死刑。そんな判決を下すことがなぜ杉元には許されているのかと。

そりゃあ自分を撃って、リパさんに殺しに手を染めせようとした、許し難い理由はある。その理由だけで、殺すという選択はないのか。なぜ、金塊目的「だったのなら」気兼ねなく殺せて、逆を言えばそうであってほしくはないのか。

 

そして、杉元はリパさんに決定的な嘘をつく。

彼女がアイヌのための戦闘要員にするために育てられたという事実を。

これをもし細大漏らさず話していたのなら、リパさんは父親と狩りをした思い出も、すべては自分を戦女に育て上げるためだったと知れば、悲しむかもしれない。

しかし私にはそんな、やさしい嘘だとは思えない。

だって杉元はそんなウイルクが許せなかったのだから。胸ぐらを掴んで「あの子をアイヌジャンヌ・ダルクにしようというのか」と憤った。

杉元はリパさんを、金塊争奪戦から無関係の場所へと導きたいのだろう。

これは、私が予てから危惧していた杉元のエゴだ。

リパさんは、父親にまつわる真実を知りたがっている。それを知り、彼女が今後アイヌ民族の存続についてどう考え行動するのかは、彼女の自由でなければならない。

金塊を見つけた先をどうするか、それを危惧していたリパさんは、やはりアイヌ民族の未来についてすでに思案しているのではないだろうか。

ともすれば、彼女を金塊争奪戦から解放するというのは、彼女の自由意志を汲まないエゴなのでは?と考えてしまう。

たしかにいくら聡明とはいえ、こんな幼い子供を民族の争いに巻き込むことは、大人としては庇護欲を掻き立てられるだろう。しかしリパさんは子供とはいえ、立派なアイヌ民族の人間であり、新しいアイヌの女になると宣言している。

リパさんにとって、アイヌ民族はこの先も続く、願う未来の中にも存在しているのだ。

そんな彼女の意思を、杉元はわかっているのだろうか。ただ彼は、彼女を父親が勝手に仕組んだ争いに巻き込まれた「被害者」として見ているのではないだろうか。

私はこの杉元の自分本位なやさしさが、のちにリパさんの判断を狂わせる要員になりかねないのでは?と不安を感じる。

杉元がリパさんを早く金塊争奪戦から解放してあげたい。という気持ちもわかる。

子供が親の強い思想で、人生を、運命を定められるなど、自由意志を蔑ろにする行為だと思う。

しかしそれは現代の私たち、民族などという限られた血筋に無関係で生きているから、そう思えるのかもしれない。

 

リパさんが、今回の樺太で北海道アイヌ以外の風習をとても興味深く見聞きしているように思える。

同じアイヌでも土地の風土やその土地に生息する動物によって、生活スタイルに違いがある。これらを興味深く観察することは、単純に興味であり、その探究心は少なくとも知る必要があるも本能的に感じたからではなかろうか。

 

リパさんが杉元が願うように、山で狩りをしてチタタプして…というのは、結局のところアイヌ民族が存続しなけれはなし得ない願いだ。

大人達の思惑に振り回される、かわいそうなアシリパ像が、杉元の中にはあるのかもしれない。

 

しかし、金塊の暗号を解く鍵を与えられた以上、リパさんはこの問題からもう既に無関係ではいられなかったのだ。

 

いつかこのやさしさのかけ違いがいで、リパさんの意思がねじ曲げられぬよう、祈るばかりだ。

守ることだけがやさしさではない。

鍵を握るリパさんは、金塊をどうするかを決める権利がある。

それについての決断になるような、父親が果たしたかった目的が、残酷ではないことを祈りたい。

仕組まれた運命を、生かすも殺すも、最終的には自分の判断なのだ。

 

【追記】

そもそも杉元がやさしさのかけ違いでリパさんと喧嘩したのは、串団子事件の時にもすでにあった。

あの時はリパさんに正論ビンタ(馬肉)されて、白石の計らいもあり無事ヒンナヒンナで仲直りしたが、今後もそうやって、やさしさのかけ違いから事件になり、杉元が気付かされるという付箋なのか、今回の杉元の嘘は。

杉元のモンペ暴走が、リパさんの意思わ知るきっかけになればいいし、そこに緩和剤としての白石の立ち位置。このバラバラの3人がうまく化学反応を起こして大団円に繋がると思いたい。

 

ていうか、このまま尾形も軍曹たちと中尉の元へ帰ったら、杉元が殺す云々以前に処刑されるのでは?

山で見つかった時だって、二階堂を捕獲できた途端「頭を撃ってヨシ!」って即決してたから、尾形には亡くなった花沢中将のご子息である軍神の役割も既にないと判断されてるわけで…。

まあその前に、なんでキロちゃんと共闘してたかの尋問があるだろうから、今後の尾形の処遇と立ち回りなども気になるところだ。

 

 

191話延長戦「悲しみにつばを吐け」

昨日のブログのあとに気づいた事があったので、新たに補足。

 

よく考えたら尾形がキロちゃんに話を持ちかけて同行するまでの経緯がはっきりしてないんだよね。

パルチザンだってことは鶴見中尉から聞かされていたとして、それを脅しの手段として使ったのか。その話をするために、二人きりで接触する機会が必然だったわけで。

それがリパさんに不殺の心情を確かめるためだとしたら。…って考えても、それだけじゃキロちゃんに同行する理由としては薄い気がする。

なにより、最初に宿舎から脱走した時点で、リパさんに不殺の信条があったかどうかなど確かめようがない。

だとすれば、造反組を装い、二階堂を率いて脱走。そしてそれを密告すると恐れた谷垣を必要以上に警戒している点からして、鶴見中尉に自分の行動がバレることが、尾形にとって絶対避けねばならない。

つまり、予想だが、やはり尾形は誰かの差し金で動いたことになる。

 

ここでそれを匂わせたのが、菊田特務曹長だ。

「私の様子を見にきたのか」

これは怪我の具合を心配しての、二階堂と宇佐美を寄越したわけではないと示唆している発言に思える。

言わば、菊田曹長が鶴見中尉の目の届かないところで動いているかもしれないという不穏への警戒。自分が警戒されるに値する行動をとっていると自覚しているのではないかと。

その計画(があればの話だが)に一役かっていたのが尾形だったという筋も可能性として無くはないと思う。

いやまだ菊田曹長が反鶴見派と決まったわけではない。

「様子を見にくる」ということは、もしかすると鶴見中尉の計画の一旦を担っていて、その進捗状況を伺いに来たという線も考えられる。

 

そして尾形はまだ重要な秘密を握っている。

鶴見中尉が花沢中将の自刃を細工したことだ。

中尉は以前、月島と鯉登の前でしれっと花沢中将の自刃の話をした事があった。

第7師団であれが自刃ではないと知っているのは、鶴見中尉と尾形だけである。

自刃という汚名を着せられ結束を強くした結果が、実は仕組まれていたことだた知った月島たちはどう思うのだろうか。

しかし尾形がその事を話したとして、今は信用してもらえないだろう。

尾形への信用が回復することは薄いと思うので、鶴見中尉への不信感が芽生えたあたりでバラすのだろうか。

この役割がまだ残っているので、退場することはないと思いたい。

 

で、昨日1ページ目を読み返してたら、白石の弔い方がなんとも粋だということに気づく。

かつてあった青春のほんの束の間の時間。アムール川で見た夕陽の美しさ(朝日かもしれんけど)そこに春が来たら帰るこができるように。

家族が待つ北海道へ戻ることができなくても、せめて思い入れのあるアムール川を渡り、役目を終えて天に帰る。

キロちゃんに教わったことは意図せずアイヌ民族の風習に習う形になったこと。これこそが文化の継承ではないかと思う。

たとえそれが多民族の人間であったとしても。誰が文化を大切にし、それを守るかなんて大事ではないのかもしれない。

大切なのは、その民族の文化が存在したという事実を、後の人間が忘れずにいることかもしれない。

人生には必ず「さよなら」が訪れる。

自分が別れを告げる時、告げられる時。人生は生まれた瞬間に「さよなら」の連続が待ち受けている。避けて通れはしない別れ。その悲しみにつばを吐き、抗えない別れを悔しさに変えることで、忘れずにいられることができるのかもしれない。

191話「で、結局尾形ってなにしたかったん?」

ここにきてそのタイトルに戻るか?

しかもこの内容で?尾形、今週尻餅ついただけじゃん。

いやまあそうは言っても、このブログを始めたきっかけが、そもそも尾形の目的はなんなのかについてだから、毎週そこを掘り下げていくしかないんだよ。

 

とは言っても、尾形どころじゃない展開。

まさに杉元の背中から落とされたあのコマのような。

いやすまん尾形、今は正直おまえのことに構っている場合じゃないんだ。

そうだよ。キロちゃんだよ。

 

白石がキロちゃんのことを弔ってくれたのがせめてもの救いだ。

そうね、真面目すぎたのよね。何に関しても。

思えば競馬場での出来事だって、真面目すぎるから勝っちゃったわけでしょ。そのおかげであの八百長に絡んでた二人は親分に殺されちゃったわけで。

 

ほんとうはさ、皇帝暗殺とか革命とかやりたくなかったのかもしれない。いやわかんないけど。

でも真面目すぎるがゆえに、ここで俺が動かなければ皆が、アイヌ民族が途絶えてしまう。っていう、正義感で動いていたのかもしれない。

もしかすると、その実直さがウイルクと違えることになったきっかけかもしれないね。

 

刺青人皮について、「あんなことができるのはウイルクしかいない」って言ってた。「あんなこと」とはつまり、あまり賞賛しているような言い方ではないと思う。

あんな、囚人に刺青を彫り、それを剥いでつなぎ合わせることで完成する暗号。

たしかに「あんなこと」だ。プリズンブレイクでだって、あそこまでしてなかったよ。むしろ自分の身体に彫ってたよ。

 

目的のためなら冷徹になれる、情は命取りになると狼から教わったウイルクと、正義感の強いキロランケ。

キロちゃんの本当の名前、ユルバルスが意味する「虎」が、どんな生態なのかはよくわからないが、狼と虎。きっと似ているところもあれば、真逆なところもあったのだろう。

 

だいたいにして、革命家をやる人って少なからず常人よりも正義感や思い込みや信念やらが強い人で、時代背景もあるだろうけど、私が今何かの活動ができるかって聞かれたら、絶対やりたくないって答えるよ。

まあそういう、想いが強ければ強いほど、意見がぶつかった時には互いに譲ることもできないんだと思う。

 

キロちゃんへの悲しみもそこそこに、金カムのザンギエフことガンソクさん再登場✩

めんどくさいけど、めっちゃ頼りになるダブラリおじさん。

 

そしてようやく舞台が北海道に戻るわけだが、あの洋画に必ず出てくるようなニューフェイスはなんだ?

あれこそCV.ツダケンじゃねーか(そこか?)

それよりたぶん今、物語の七合目あたりだと思うのだが、ここにきて重要なニューフェイスをぶっこんでくるってっことは、私の予感だと、尾形はこの物語で完全に用済みになってしまったんじゃないかという不安。

いやだって、今まであんな不穏な人物って、尾形の立ち位置だったわけじゃん。

タイプはまったく違うけど「こいつ何考えてんだ?」系のキャラの金カムにおける代表は尾形だった。

療養もあるししばらくは出番はないだろうと思っていたが、もしかしてもう最終回あたりまでないのか。

そもそも尾形がこの金塊争奪戦に参加していた理由も、不殺の信条を汚すためっていうのではっきりしちゃったし、そして杉元によってリパさんの不殺が守られた。っていう二人の再会のための噛ませ犬だったのかよ!!!って・・元々二人を引き離したのが尾形だった。

 

あの菊田さんは何者なのかとか、そういう考査は歴史に詳しくないのでしないけど、打たせ湯オナニーしてる奴、いるんだろうなーって思いました。

初登場でちんぽの陰影で圧倒させるキャラってすげーな!